飲食店のインバウンド集客に!「SAVOR JAPAN」の概要…
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日本政府観光局の発表によると、2023年7月の訪日外国人客は232万600人となりました。これは新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同月と比較すると全体で77.6%まで回復、中国本土からの訪日外国人客を除くと3.4%上回り、コロナ前の水準を初めて超える結果です。2023年8月10日には中国の日本への団体旅行解禁も発表され、インバウンド需要については今後も一層期待が高まりますね。今回は外国人観光客の受け入れ準備として、飲食店で実施したいインバウンド対策をご紹介します。
目次
訪日外国人が「日本で不便に思うこと」
飲食店でのインバウンド対策を考えるにあたり、まずは株式会社地球の歩き方が同社の運営する訪日外国人向け多言語旅行情報サイト「GOOD LUCK TRIP(好運日本行)」を訪れた海外在住の外国人へ行った調査を基に、観光客が「訪日中に困ったこと(=不便に思うこと)」について見ていきましょう。
調査対象:海外に住む10代~60代以上の男女 回答者数:891人(英語圏106人、韓国語圏102人、簡体字圏103人、繁体字圏580人) 調査期間:2023年5月9日(火)~2023年5月15日(月) 調査主体:訪日外国人向け多言語旅行情報サイト「GOOD LUCK TRIP」 調査方法:インターネット調査 調査元:株式会社地球の歩き方 |
訪日中に困ったこと第1位は「Wi-Fi環境」
外国人旅行者が訪日中に最も不便に感じることの第1位は「Wi-Fi環境(31.5%)」があげられました。訪日外国人は通信手段に無料Wi-Fiをよく使いますが日本では公衆Wi-Fiの普及率がまだまだ低く、訪日外国人にとって快適なインターネット環境が不十分であると感じているようです。次いで2位は「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない(20.2%)」、3位には「多言語表示の少なさ・わかりにくさ(17.5%)」と続き、言語の違いによる不便さが明らかになりました。
飲食店への来店は直接訪問がほとんど
施設等のスタッフとコミュニケーションを取るシーンの1つとして、「飲食店の予約手段」については多くの方が事前のコミュニケーションを必要とする予約をせず「直接訪問(36.7%)」していると回答しています。次いで、「ネット予約や日本語ができる人に電話予約を依頼」と続き、「自分自身で電話予約をする」と答えたのは回答者の10.5%に留まりました。
半数以上がキャッシュレス決済を利用
6位・7位には、支払いシーンにおける決済手段に関して困ったという回答がありました。一般社団法人 アジア太平洋研究所が2020年に行った「関西における訪日外国人旅行者動向調査事業」アンケート調査によると、訪日外国人が滞在中に使用した決済方法は以下のとおりです。
訪日中国人客については現金で決済したと答えた割合が37.4%と高く、次いでQR コードが26.8%、クレジットが25.1%、デビットが10.6%と続いており、総じてキャッシュレスでの決済方法の割合が高いことがわかります。欧州についてもクレジットでの決済割合が現金同様の 46.7%と高く、一方でデビットは 6.7%、QRコードでの決済は0%となりました。北米は現金が46.4%と最も高く、次いでクレジット42.9%、デビット10.7%と続き、欧州同様QRコード決済は見られませんでした。
飲食店で取り組みたいインバウンド対策3選
①外国語メニュー・ポップの導入
外国語表記のメニューやポップを用意しておけば、言葉が通じなくても指差しなどを用いてスムーズに注文が行えます。メニュー表には料理写真もつけておくと、事前にイメージが付きやすく注文後のトラブル防止にも。モバイルオーダーシステムを導入している店舗であれば主要言語への変換機能のついているものが多く、簡単に切り替えることが可能です。
②インターネット環境(Wi-Fi)の整備
アンケート結果の通り、外国のお客様はインターネット環境を非常に重視しています。店内のフリーWi-Fiの環境を整え、安心して利用してもらえるようにしましょう。
③キャッシュレス決済の導入
クレジットカードは最低限下記4つのブランドを準備しましょう。
・VISA ・Mastercard ・銀聯 ・JCB ・American Express |
QRコード決済については、日本周辺のアジア地域で使われているコード決済がそのまま日本でも使える環境が整ってきています。例えばPayPayでは中国大手のAlipay、LINE Payは中国のWeChatPayと提携しており、東アジアからの外国人観光客を迎えるためにはぜひ検討を。
また、「各種決済サービスが使えるかどうか分からない」という不満も多くみられるため、クレジットカードのブランドを表示するアクセスタンプマークやモバイル決済のマークなどを目立つ場所に貼り付け、利用可能な決済手段をアピールすることも重要です。レジ付近や店の入り口だけでなく、Webサイトなどにも表示しておきましょう。
まとめ
以上、訪日外国人が不便に感じている点を基に飲食店で取り組みたいインバウンド対策をご紹介しました。中国では毎年10月1日の建国記念日が「国慶節」と呼ばれ、春節に並ぶ秋の大型連休があります。この時期には中国人が一斉に国内外に旅行するシーズンとして知られ、日本でもインバウンド需要が高まるため注目されています。訪日外国人客の急な来店にも対応できるよう、しっかりと受け入れ態勢を整えておきましょう。
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